近年、造花(アーティフィシャルフラワー)は「植物の模倣」にとどまらず、
インテリアに気軽に取り入れられるアクセントとして人気を集めています。
SNSでは、石膏やレジンなどを使った植物モチーフの作品も多く見かけるようになり、
私自身、造花業界の変化に日々驚いています。
実は、以前、身体の不調で花仕事をやめ、花を飾ることすら諦めていた時期がありました。
それでも、「暮らしを整えたい気持ち」は、どこかに残っていました。
その頃に手にしたアーティフィシャルフラワーが、 「飾ることって、もっと自由でいいんだ」と思い出させてくれたのを覚えています。
自然界にはないモノトーンやミニマムなデザインが可能なのも、フェイクならではの魅力のひとつ!
このサイトでは、これらをあえて“フェイクフラワー”と呼び、
私の体験も交えながら、一輪が空間に与える力と、気軽な飾り方をご紹介していきます。
玄関を飾りたい!
ー ドライフラワーを取り入れる
ノスタルジックな雰囲気が好きなら、ドライフラワーはとてもおすすめです。
厳密にいうと、フェイクフラワーではないのですが、
生きていた花が時間とともに風化しているので、
自然な風合いが、空間にやさしくなじみ、初心者さんにも始めやすい選択です。
玄関のように、毎日通り過ぎる場所に…
主張しすぎない存在感あり、心が整う気がします。
ユーカリやラベンダーなどの枝ものは、ドライになると落ち着いた色味になり、
リースや壁飾りとしても取り入れやすいです。
ただ、
湿気がこもりやすい場所では傷みやすかったり、ホコリが気になることも。
玄関の環境によっては、長期間の設置が難しいかもしれません。
そんなときは、季節ごとに入れ替えて楽しむのもひとつ。
飾ることで、暮らしの中に小さな変化を生み出せます。
ーアーティフィシャルフラワー(造花)を取り入れる
「枯れない花」という選択肢。
それが、アーティフィシャルフラワーです。
最近はとてもリアルに作られていて、 本物と見分けがつかないものもあります。
手入れがいらず、ずっときれいなまま。
特に、日当たりや湿度が不安定な玄関では重宝します。
たとえば、一輪の花を器にすっと挿すだけでも、 空間にぐっとアクセントが生まれます。
明るい色を選べば華やかに… 落ち着いた色なら、部屋によくなじみます。
花器との組み合わせや、季節の花を取り入れるのもおすすめです。
気軽に取り替えられるのは、フェイクならではの楽しさですね。
ー フェイクグリーン「観葉」を取り入れる玄関にひとつ、緑があるだけで…なんだか空気がやわらぎます。
でも、本物の植物は難しい場合もあります。 例えば、日が入らない。湿気がこもる。枯れやすい。
そんな悩みが出やすいのも玄関です。
そこで役立つのが、フェイクの観葉植物。
水やり不要で、葉も落ちず、いつも整った姿を保てます。
最近は、光触媒加工されたタイプもあり、 空気清浄や消臭といった機能性もプラスされています。
「ただの通路」だった玄関に、 静かな気配が生まれる。
そんな小さな変化を、気軽に始めてみてはいかがでしょうか。
おしゃれなリビングにしたい!
近ごろ、リビングの役割が少しずつ変わってきている気がします。
コロナ禍以降、家の中で過ごす時間が増え、
リビングは「集まる場」から「それぞれが何かをしている場」となっているようです。
パソコンで仕事のメールをチェックするお父さん。
ゲームやSNSに夢中な子どもたち。
夕食の支度をしながら、翌日の段取りを考える私たち。
みんなが別のことをしているのに、同じ空間にいる。
リビングは、そんな“静かな共有”の場になってきたのかもしれません。
だからこそ、できるだけ心地よくしておきたい。
花を飾ることは、その第一歩になります。
- 家族が落ち着いてすごせるリビング
おすすめは、その時期の植物を一種類だけ取り入れること。
最初から立派なアレンジを目指さなくても大丈夫です。
一輪のフェイクフラワーを、好きな器にすっと挿すだけ。
それだけでも、空間の雰囲気が少しやわらぎます。
フェイクなら、水替えの心配もなく、 疲れて帰ってきたときも変わらない姿で迎えてくれます。
手間が少なくて続けやすい。
暮らしのリズムに合わせて花を選べるのも、フェイクの良さのひとつです。
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飾る場所: リビングの角やサイドテーブル
器の形: 縦長で、口が広めの花瓶 又は一輪挿し数点
飾る花の選び方: お手入れが簡単なもの(生花でも◎)
枝や葉に動きがあるもの(空間が生まれます)
長く楽しめるもの(フェイクならずっと美しく)
-人を招く日のリビング
少し慣れてきたら、2〜3種類の花を組み合わせてみましょう。
主役になる大きめの花と、それを引き立てる小花やグリーン。
たとえば、丸い器にあえて余白を残して挿すだけで、 きちんと整えすぎない美しさが生まれます。
フェイクフラワーなら、事前に準備ができるのも嬉しいところ。
来客の直前に慌てる必要がなく、落ち着いた気持ちで迎えられます。
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飾る場所:ダイニングテーブルの中央
おすすめ器: 丸いガラスの器
組み合わせの3つのヒント:
①「主役の花」をひとつ選ぶ
②小花やグリーン「脇役」でバランスを取る
③ 器との相性も楽しんで
私もそうですが、 忙しいときは、花を飾る気持ちの余裕なんてなかなか持てません。
それでも、一輪だけでも試しに飾ってみてください。
少しだけ時間の流れがやわらかくなる気がするのです。
フェイクフラワーなら、無理なくその時間を続けていける。
そんな穏やかな景色を、暮らしの中にひとつずつ増やしていけたらと思っています。
限られたスペースを飾りたい!

広いリビングじゃなくても、 寝室、トイレ、階段の一角など、 少しのスペースに花を置くだけで、空間の印象は変わります。
場所が狭いほど、好きなものは“ひとつ”で十分です。
一輪だけでも、その場に自分らしさが生まれます。
ー 階段
階段は生活の中で“通り過ぎる”場所ですが、
視線の角度が独特なぶん、飾りにストーリーが生まれやすい場所でもあります。
手すりの下、曲がり角、踊り場。 一輪の花とアートフレームを組み合わせるだけで、 空間の“途中”が、意味を持ち始めます。
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飾る場所: 踊り場の壁面
器の工夫: 横長のボード/壁掛け器
花の選び方: 奥行きがある枝もの 影がきれいに出る花形 季節感のあるもの(紅葉・スモークツリーなども◎)
ー トイレ
トイレは、毎日必ず立ち寄る場所。
ほんの短い時間でも、視界にひとつの花があると、空気が変わります。
フェイクフラワーなら湿気も気にせず、 埃をさっと払うだけで、長く飾っていられます。
おすすめは、壁にかけられるような軽いアートフレーム型。
アートの中に花を組み込んだタイプなら、置き場所にも困りません。
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飾る位置: 壁面/棚
器の工夫: 小さなアクリルボックス/額装した浅いケース
花の選び方: 白・ブルーなど清潔感のある色・ほこりが目立ちにくい素材
ー 寝室
寝室は、一日の終わりに戻ってくる場所。
そこに好きな色があると、眠る前の気持ちがふっとやわらぎます。
フェイクフラワーなら、暗い場所でもずっときれいなまま。
香りや水気がない分、眠りの邪魔にもなりません。
おすすめは、光を柔らかく受ける素材。 たとえば、白やグレーの花をベースに、透ける花器を合わせると、夜の明かりにも美しく映えます。
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飾る場所: サイドテーブルやミラー前/壁面
器の工夫: 小さな筒型花瓶/ライトと並べられる幅のあるトレイ
花の選び方: 光を透かす素材(オーガンジー調、白アクリルなど) 落ち着いた色味(ベージュ・くすみブルーなど)
毎日は忙しくて、気持ちが向かないときもあります。
でも、フェイクフラワーなら大丈夫。
整えることを、無理せず、やさしく続けていけます。
まとめ
忙しい日々の中で、 「花を飾ろう」と思える時間は、そう多くないかもしれません。
けれど、限られたスペースに一輪だけでも、 そこにあるだけで空間がやわらぎ、
気持ちが少し整うことがあります。
大げさなことをしなくてもいい。 無理をしなくてもいい。
フェイクフラワーだからこそ、 毎日の暮らしに“美しさのルーティーン”を持ち込むことができます。
まずは、小さなひとつから。
一輪から始めることで、自分の空間が少しずつ変わっていく。
その実感を、少しでも多くの方と分かち合えたらと思います。
- 次回のテーマ★★★
「安くてかわいい造花専門店まとめ|一輪から始める花のある暮らし」
手に入りやすい価格帯で、 器の選び方や、色合わせのヒントも合わせて、 暮らしに自然になじむ“フェイクフラワーの選び方”をご紹介していきます。
楽しみにしていてくださいね!
フラワーデコレーターの目線で、フェイクフラワーを暮らしの中に取り入れるアイデアを綴っています。